before-birthday昼下がりのカフェテラス。
【ヌビアの子】を集めた定期健康診断を終え、俺とエルベはカフェテリアに来ていた。
それぞれ一つずつ飲み物を頼んで受取り、2人用の丸テーブルに掛ける。俺の前には緑色の澄み切ったカップが、エルベの前には『ほいっぷくりーむ』が山盛りのコーヒーが置かれていた。エルベは真向かいの席から、俺の注文した飲み物を覗き込む。
「ハンザは、また緑茶か?」
「あぁ、この味が落ち着くんだ」
「ふぅん。まぁでも、第五西部じゃ一番ポピュラーなのか」
エルベは頬杖をついて、少し唇を突き出した。その姿勢のまま、上目遣いに俺を見上げる。
「な、一口くれよ。普段、緑茶なんか飲まねぇんだ」
「っ、」
────その言葉に、心臓がぎりりと痛む。
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