そのあとの話(仮) 23時30分、藤丸立香はベッドで打ちひしがれていた。涎を垂らしながら彼の肉棒に喘ぎ、共に達しもう数分経っている。行為後特有の恍惚とした余韻と虚脱感で五体投地していた。私を抱いた彼は平然とした姿勢でシャワーに行ったっきりだ。
「はぁ〜…」
やっと息が整い、自然とため息が出た。
彼と付き合ってから、一体どれほど体を交わせてきただろう。
*
出会った当初、彼は明るく朗らかな好青年で非の打ち所がない性格と話術ですぐさま女性陣を虜にした。勿論その中に私も入っている。恋に落ちるとはきっとこういう感覚なのだろう。
友人から「ああいう男の人は裏があるから、絶対立香はやめておいた方がいいよ」とこっぴどく忠告を受けたが関係無い。誰だって恋には盲目になるんだから。
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