ある日の花畑にて 眼前に、一面の花畑が広がっている。
それらをぼんやりと眺めつつ、エリックは少しでも早くこの場から帰りたいとため息を吐いた。
というのも、エリックから少し離れた所では同じフリーカンパニーに所属しているロッコとジジ、それからその二人の友人であるタゼルとマリス、あとトンガリとかいうエレゼンの青年が各々思い思いにじゃれついているからだ。(正確には、タゼルとトンガリは別のフリーカンパニーに所属しているが、正味、これはエリックにとってさほど重要ではなかった。)
ロッコとジジは互いに花冠を作っているし、タゼルとマリスに関してはやけに凝った作りの花冠を頭に乗せたマリスが、タゼルの角と頭の隙間にひたすら花を差し込んでいるし、トンガリとかいう青年はマリスとタゼルの尻尾の先に花で作ったらしいリングをはめていた。
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