傾国の卵、あるいは災禍の種子層主ネビュラポップが死んだ。
それは淡々と、今朝の天気や交通ダイヤの乱れと同列のものとして報告された。
新しい層主がスピーチをしていたようだが、耳に入らなかった。
ねびゅちが死んだ。俺の生きがい、人生のきらめき、輝ける恒星は、引退すら待たずにあっけなく燃え尽きた。
おれはこれから、何のために生きていけばいい?
死んでしまったものは仕方がないので、俺だけのねびゅちを作ることにした。
機体の当てならいくらでもある。ライブグッズとして売られていたも換装パーツのレプリカ、大きな声で言うのは憚られる目的で作られた、外側だけよく似た贋作。それらをかき集めて繋ぎ合わせれば、まあ格好はつくだろう。
問題は中身だ。本物を持ってくることはまず不可能。死体がどこにあるかすら俺にはわからないのだ。
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