暗い中で小さなランプに火が灯る、消えかかっているようにもチカチカっと時々なりながら、薄目から大きく目を開ける。
身体を少し起こすと力も入るし頭の痛いのもない
誰かの気配に知っている気もする。
「おはようございます、顔色良さそうで良かったです。」
聞き覚えのある声だけど、丁寧だし。
「おはよう。助けてもらっちゃってありがとう」
驚いてる顔している、俺の声って変だったりする?
「どうして、森にいたんですか?」
「自暴自棄かな、どうでもよくなっちゃってさ。このまま死んじゃってもいいって思ったんだ。」
「ダメです!ダメです、オレたち頑張りますから、あいつらに負けないくらい頑張りますから。希望を持ってください。食事持ってきます。」
「う、うん。」
あいつらに負けないくらいってなんの話だろう、
そこでようやく俺はまわりをみる、ボロボロの建物の中にひっそりと暮らしているようにもみえる、
今の時代こんな場所なんて無いはず、内戦が起きているなんてニュースではやっていない。
携帯電話は置いてきちゃってるし
今の少年の気配ってほんとに誰かにそっくりなんだよね、あれ?誰だろう。
ってか、
「俺、誰?!」
名前が思い出せないだけじゃない、知り合いだったはずの人物も身近な存在も思い出せない。
「食事です、どうしたんですか?」
「俺は誰?ぽっかりと抜け落ちているんだけど。」
頭をくしゃくしゃしても思い出せない。
「一過性の記憶喪失とか。」
「キミの気配は知ってる。でも、思い出せなくて。頭の中で、近くに知ってる気配もあるんだけど••••思い出せないんだよ。」
「ここに食事置きますね。無理して思い出さなくてゆっくりでいい時も。」
「そうだよね、食事ありがとうございます。」
口の中に入れられた味はこの味だった。
この少年、俺と同じくらいかもっと下かだけど料理の腕前で俺は負けてる。
しばらくはこの部屋で過ごしているも、身体が動くようになったので少しばかり動かしたい。
そっと、そ~と気配を消して部屋を出る。
所々も壊れている、玄関もボロボロで外は薄暗く雲が厚い、まわりの景色も建物が破壊され、嫌な臭いも風向きで漂ってくる。
「前に、未来からって••••そこまででかかっているのに、なんで思い出さない!」
俺の頭は。
いや、
まさか、
振り返った。
「ウソだろ•••••」
知った名前の知った場所の、
一瞬、気配に後ろに下がるも直ぐに追いかけられる。
「誰かわかんないけど、俺だって鍛えているんだからさ、誰かより。」
ある程度まで飛んで、振り向くと
父さんに似た道着を着ている人が立っている、って言っても空で睨み合いになりそう。
「ま、まって。俺、敵意はないんだ。」
でいいか。
相手も殺気があるわけじゃない、なんで追いかけられたんだろう?
から、条件反射で逃げたんだけど。
バシュ•••っと気弾が飛んで来る、そこも条件反射でバシっと払いのける。
「両手挙げます、攻撃とかしないですから。」
最近、誰かとフュージョンごっこした時に調子に乗って、兄ちゃんに怒られたなあ〜
あれ?
この気配、ちょっと兄ちゃんに似ているけど、
まさか、父さんの道着着ないでしょ。
いつだって、ピッコロさんって言ってるんだから••••
「思い出してきた。よかった〜、ってことは。」
気配を感じて、俺が振り向くとそこには18号さんがいる。
「な〜んだ、遊べるものがあると思って来てみれば、孫悟飯か••••んん?」
やっぱり、
未来の兄ちゃんだ。
「俺は、通りすがりの一般市民です。」
逃げようとするも、17号さんも登場。
「んじゃ、少し遊ぼうか。」
と、向かってくるから今の実力を試すチャンスだと思い、攻撃を受ける。
「あれ?」
俺、トランクスと時々遊ぶ(戦いごっこ)からか、ちょっといい感じに身体が動く。
弾いてからの後ろ蹴りで地上に叩き落とした。
「はあ、スッキリ。」
だいたい、野菜ほしいときだけ手伝えのなんのって、こういう時だけは思いっきり蹴ることできたから良しとするか。
叩き落とした状態はどうか分からないけど人造人間なので直ぐに戻ってくると思う。
未来の兄ちゃん、苦戦してるな〜頑張れーーー
こっちの兄ちゃんがすごくかっこいい。
ひとり退散して、
スーパーサイヤ人を解除した姿で、俺の前に来る。
「その、ほら••••サイヤ人なら邪魔しちゃいけないだろうって、兄ちゃんはいつだって邪魔されると怒るからさ、あ、ここの悟飯さんは知らないけど。」
途中で気付いて話をそらす。
「キミは、誰なんだ?」
たぶん、この世界のトランクス以外なら言ってもいいだろうか。
前に、パラドクスだか何だかでって言ってたし、
そもそも、俺は、本当に未来に来ている?
ん〜
「ごてん••••」
「聞こえない。」
「俺は、悟天って名前!」
「俺は、悟飯。よろしく。」
「よろしく。」
分厚い手、磨かれた筋肉。
俺、この兄ちゃんとフュージョンしたら強くなれるかな?じゃない。
この兄ちゃんにも、トランクスがいるんだから。
「いつまで握って。」
「あ、うん。」
慌てて離す。
「悟天、手伝って欲しいんだ。」
「人造人間とセルでしょ?聞いたことあるよ。大変だった•••••」
現在進行中のことだ、ここで未来の兄ちゃんは死んじゃって、未来からトランクスが来るんだった。
「詳しいんだな。」
「隠すの上手くなったつもりだったけど、悟飯さんには言うよ、タイムマシーンで過去から来たんだ(嘘)」
「それはブルマさんが作っている?」
「そう。」
子供の時に見た記憶しかないけど、兄ちゃんなら信じる。
「そうか、それで悟天は、手伝いにきたわけでもなく。」
ここが俺のいない未来であれば
「手伝いにも来たんだけど、悟飯さんにも会いたくなって。」
「俺に?」
トランクスの気配がする
「この話は悟飯さんの心の中に。」
「ああ。」
俺は急降下で降りて、気配を消し歩いている。
え、そんな事って
目の前にはさっき落とした18号さんがいる。
気を失っているのか、動かない。
クリリンさんの奥さんってキレイだよな。
「このまま、お持ち帰りをしよう。」
肩に担いでカプセルコーポレーションまで向かった。
それからが、一大事。
ここにいたブルマさんが18号さんを調べる、トランクスに驚かれる。
って1日が過ぎた。