山の畑の近くには大きな梅の木がある。
悟飯が小さい頃に何処かで拾った青梅がいつの間にか育ち、みるみるうちに成長して、今ではビルの10階建てくらいまでに成長している。
といってもこの家では高さなど関係ない。
「にいちゃ〜ん、いいよ〜。」
下で声を上げているのは小さい袋を広げている悟天。
それじゃ入り切らないけどな〜と思っている悟飯のふたり。
「この梅がこんなに大きくなってるなんて、すごいな。未来じゃ早くになくなってたからなあ。」
「僕もこんなに育つ梅になって毎年のことで、今年から強い味方ができて良かったです。と言いつつ。」
「悟天には気をつけていく。」
「はい。」
それと、この高さでスライムに命中しても消えてしまうだろうな〜っと未来悟飯は思う。
大きめな袋を未来悟飯が持ち、学生悟飯が肩をまわす、ふたりで目を合わせると、素早い動きでそれが始まっていく。
投げられた梅は野球ボール大アある、傷がつかないように袋に収めていくも•••••
未来悟飯の袋があっという間に溜まってくる。
一度下に戻ってもう一度戻ると、学生悟飯が置いておいた袋が満タンになっている。
「ひとりのほうが、楽だったり?」
「違うんです、見てください。この傷の梅は僕が素早く動いたら傷になってしまったんです。売り物にならない。から、ふたりで少しずつでもゆっくりとったほうが、去年よりも売り物になるんです。」
「修行の一環って考えても、難しいもんだな。」
「ははは、はぁ〜。っとため息をついて。続きもお願いします、僕。」
「下の悟天も暇そうでスライムたちと木の根元で寝ちゃったようだから、早く梅採って行こうか。」
時間はかかるも、今年は傷もなくの梅がたくさん採れ、チチは喜んでいた。
それをチチの父親である牛魔王が出荷をしに出かける。
残った梅は、漬物に。
「レシピはっと、エンゼルちゃんは良くおべぇてるだな〜」
ここで秘密のレシピが
「と、言うわけで。梅を洗って、シソをとってきて、お母さんの手伝いをするよ、悟天。」
「むすっ」
「どうした?ん?ホイミスライムが訴えっているけど•••飯コロさんは父さんについていっちゃったし。悟天?怒ってる?」
「ぷんだよ。にいちゃんたち、ぼくにてつだわせてくれなかったんだもん。むす。」
学生悟飯に向かって特に怒っている。
「大丈夫だ、悟天ちゃんにはこれからいっぱいてつだってもらうだよ〜、さあ、やる前に水分補給して頑張るだ〜」
ひと声で場の雰囲気は変わる、悟天はチチのズボンをつかんで一緒に行ってしまった。
「僕に怒ってるんだね。」
「去年は手伝った?」
「梅採りはしてないけど、秋のリンゴ採りは一緒にやったか〜ホイミスライムたちも手伝ってくれたし。」
「それを覚えてたんだな。」
梅漬けレシピは何処かでペタリ。
ふたりの悟飯は笑顔で家の中に入っていった。
のちに美味しい梅漬けが食卓にあがった