牧清オメガバース牧はアルバイトを終えて足早にアパートへ向かう。今日から恋人であり、番の清田のヒートが始まるからだ。心做しか脚がもつれる。自宅で番が自分を求め身体の熱を持て余していると考えるといてもたってもいられなかった。
どうにかアパートに着く。扉の前に立つとふわりと匂いがした。番のフェロモンだと気づいた瞬間思わずその場に崩れ落ちそうになった。なんとか理性を総動員してふんばる。牧はそれ程に余裕がなかった。
鍵を回し扉を少々乱雑に開ける。瞬間、脳髄をフェロモンが刺激する。部屋に立ち込めた匂いに意識が飛びそうになる。ただいま、さえも喉からでないほど乾いている。なのに咥内の唾液は興奮から絶え間なく分泌されていた。牧はゴクリと唾液を嚥下する。
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