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    Yotsuhira_Pk

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    すごくとっても途中で終わる。すけべはないです。

    牧清オメガバース牧はアルバイトを終えて足早にアパートへ向かう。今日から恋人であり、番の清田のヒートが始まるからだ。心做しか脚がもつれる。自宅で番が自分を求め身体の熱を持て余していると考えるといてもたってもいられなかった。

    どうにかアパートに着く。扉の前に立つとふわりと匂いがした。番のフェロモンだと気づいた瞬間思わずその場に崩れ落ちそうになった。なんとか理性を総動員してふんばる。牧はそれ程に余裕がなかった。
    鍵を回し扉を少々乱雑に開ける。瞬間、脳髄をフェロモンが刺激する。部屋に立ち込めた匂いに意識が飛びそうになる。ただいま、さえも喉からでないほど乾いている。なのに咥内の唾液は興奮から絶え間なく分泌されていた。牧はゴクリと唾液を嚥下する。
    番はどこだ。どこだ。部屋の扉を開けてベッドを真っ先に確認する。いた形跡はあるが姿はなかった。
    番であるΩの清田はヒートが始まると本能に従って巣作りをする。しかし清田の巣作りの習性は少し特殊であった。
    「今日は……どこだ……」
    牧は備え付けのクローゼットを開ける。服は数着を残してほぼ消えていた。ベッドの下も覗くがいない。牧は部屋中に立ち込めた匂いから特に強い場所を探す。自然と足が進む。辿っていった先は風呂場だった。ガラッと風呂場の扉を開けると浴槽に牧の服やタオルがこんもりと盛られていた。

    ​──牧の番である清田は狭い場所で隠れるように巣作りすることを好む。


    「なんで、って言われると説明に困るんすよね……。う〜ん。なんだろう。俺だけの!って気持ちになるというか」

    少し困ったような、はにかんだ顔でそんな事を以前言っていた気がする。牧は霞む理性の中そんなことを思い出した。
    一人暮らし用の決して広いとは言えない浴槽にこれでもかと積み上げられた服の山がもぞもぞと動く。番がこの中にいることは明白だ。
    「​──清田」
    掠れた声で牧は番を呼ぶ。この愛おしい巣ごと、ベッドに連れていきたいという気持ちを堪え、牧は浴槽に体を滑らせる。幾重にも重なった布をかき分けると愛おしい番の顔が現れた。
    「ま、きさ……」
    ヒートによって既にどろりと蕩けた瞳と火照り朱に染まった番の清田の顔を見て牧は思わず口付けを落とす。
    「今回も、立派な巣だな」
    「んぁっ、まきさん……もっと褒めてぇ……っ」
    巣作りはΩからαに対する一種の愛情表現と言われている。それを褒められることはΩにとってはこの上ない幸せなのだ。
    「お前のこの巣の中でめちゃくちゃにしてやりたい気持ちは山々なんだが、っベッドに行ってもいいか……?」
    牧は興奮を抑えて清田に話しかける。
    「んっいいれすよ……。ぁ、でもこれ、これも、持ってきたい」
    清田は巣の中からお気に入りの巣材を引っ張りだす。
    「まきさんの、におい。いっぱいで……すきだから」
    清田が抱えた巣材は牧が高校時代に身につけていた4番のユニフォームであった。
    巣作りをする度にいつもこれをいの一番に巣材として選ぶことも、既に着なくなり巣作りの度に洗濯をしていくらか経つそれを今でもお気に入りの巣材にしていることも、牧にとってはたまらなく心が満たされる事実だった。
    牧は巣から清田を引っ張り出し抱える。下半身からつぅ、と糸がまとわりついてるのを見て既に発情期に浮かされ何度か自慰をしたことを理解する。
    そして牧はうなじを確認する。強く引っ掻いたような痕がいくつも残っていた。
    「うなじを引っ掻くのをやめろと何度言ったら分かる」
    牧は抱えた清田をベッドまで運びながら咎めるようにうなじに歯を立てた。
    「ひいッ!ご、ごめんなさっ……だって、うぅ〜……!!」
    清田は自慰をする時にうなじに爪を立てる癖がある。まだ牧とパートナーとなる前、幾度となくうなじを噛まれることを想像しながら一人でする習慣が番となり契約として噛まれた後も、その快楽の大きさが忘れられず中々やめられないでいた。
    「そんなに噛まれたいか」
    牧は清田をベッドに放りだしうなじに舌を這わせた。
    「っ!!らめっ、いまされたらっ……!!」
    そのまま軽く吸うと自分より幾分か華奢な身体が大きく跳ねた。
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