就職活動の先何度も心が折れそうになりつつも疲弊しながら続けた就職活動の果てに辿り着いた人生初の最終面接は、社長ではなく相談役という立場の人とのマンツーマン面接だ。2度の合同面接の中であまり手ごたえを感じなかったのだが、初めて手にした最終切符を逃す気はなかった。正直へとへとだったっていうのもある。参加型ディスコード内でのお気楽ニートどものざれ言に毎日イラついていたのもある。だからこそ、これで決めなければと思っていた。
「やあ、初めまして。私がこの会社の相談役の〇〇〇だ。…●●君、ことTAKOWASA014、あぁ今は”いっくん”だったか」
「え…?」
何度もディスコード内で会話をしていた耳なじみのある声。
「なんで、893がここにいる…おられるのですか」
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