あめふり雨が降っている
窓を叩きつけるような大雨が
何気なく着けたテレビのニュースでは、小さいながらも嵐がきているという
それを聞いて、沈んだ心がもっと憂鬱になる
雨は嫌いだ、昔から
心をざわつかせる雨音も
温度を奪う水の感触も
全部全部大嫌いだった
それでも、もっと嫌いになったのは
あの日のことを思い出すから
一日にも満たない
最悪で最低なあの時のこと
だけど…それでも
何もかもを忘れてしまわないのは
忘れたくない誰かがいるから
なぁ、おっさん…
僕は雨が嫌いだよ
どんな御託並べたって、最後には必ず同じ情景が浮かぶんだ
あんたが消えたあの時が、いやにはっきり浮かんでくる
ましてや、耳を塞ぎたくなるような雨音が響く今日なんて特に…
なぁ、おっさん…
677