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    灯ょ~

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    灯ょ~

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    風虚オンリー開催ありがとうございます!
    昨年出した本を再録します。イベント後pixivでも公開予定です。

    「貝と1/f」転生パロディ どこかの島で暮らす風息と虚淮のお話
    パスワードは会場でご確認ください。

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    rokuta456

    DONE夜行列車に乗るふたり。
    イベントで頒布した本「春の隅」の書き下ろし部分です。
    夜行列車ふと気がつくと、揺れる列車の中にいた。
    そもそもそこから妙だった。


    近頃の私の生活は、いたってごく静かなものであった。館の謹慎期間が明けても与えられた部屋から外に出ることは殆どなく、一日の大概をその部屋で過ごしていたからだ。
    インドアと言えばいくらか聞こえが良いが、ようは単なる引きこもりだ。自覚している。
    だが、別段閉じこもろうという強い意思があったわけでもない。元より兄弟分と違ってあちらこちら動き回るのは向かないたちで、おまけに、思ったより今の部屋は居心地が悪くなかったのだ。
    半ば厄介払いのように妖精会館管轄の牢を追い出されたのは二年前。しばらく監視下での生活を送った後に紆余曲折を経て選んだのが、今のワンルーム。窓が広く、光をよく集める、がらんどうの部屋。そこで日がな一日、特に何をするでもなく静かに過ごす。たまに仲間に呼ばれたら外に出て、買い物なんかをして、人間の店で、あるいは日当たりの良い公園で話をして、また家に戻る。私の暮らしぶりは、どこにいても変わらなかった。かつてはその場所が故郷の森で、今より少し賑やかで、そして少しだけ、暖かかった。違いといえば、そのくらいだと思っていた。私が一日中家にいようが外にいようが、誰と何をしていようが関係ない。
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