新しいバスブロパロ小説書き始めた(和風)山の中で子ぎつねたちとじゃれ合いながら、もうそろそろ、消えていくのだろうと思った。
人間の思いが、信仰が、祈りがなければ、神など存在する意味もない。
恨みの念で祈られれば祟り神にもなろうが、幸い、そんな経験もない。
すっかり力を失って、ちいさくなった自らの手のひらを見つめる。
人がいなくなった空っぽの村。
たくさんの動物たちが暮らすこの山。
綺麗な状態で保っていた村も、いかなる脅威にもさらさずにいた山も、その姿を失ってしまうのだろう。
人間の思いが、信仰が、祈りがなければ。神は存在できない。
もうそろそろ、消えていくのだろう。
そう、思ったのに。
もうしばらく感じていなかった、懐かしい温度を、感じた。
何事かと思い、急いで祠へとかえった。
まだ、存在している内は、護るべきものがあるのだ。
祠のすぐ隣に佇む、村でも大きく、丈夫な家屋をそっと覗き込む。
驚いたことに、そこには、まだ年端も行かぬ兄弟が居り、身を寄せ合っていた。
「この村、すごくきれいだね…。人が、住んでるのかな…」
今にも消え入りそうなか細い声で、ちいさな方の人が言った。
「人がいたら…また逃げよう、どこかへ」
比較すればおおきな方の人が、そう答える。