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    azisaitsumuri

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    演繹トライアングル

    確執とスヴェンガリと大佐を共演?(笑)させたかった話なのに、スヴェンガリが扱いにくかった。←そして未登場(爆)

    ##傭リ

     たったったっと、軽い足音。
     確かにこちらに近付いてはいるが、あっちへ行ったりこっちへ寄ったりと忙しない。
    「見つけたのー!」
     それが漸く到達した。
    「見つかった。」
     大きく反響する高い声と、小さくくぐもる低い呟き。
     白く広いバスタブから立ち上がった男は、そのままぼそぼそと話し続けた。
    「遅かったじゃないか、名探偵?」
    「む!そんなことないの!」
     反論する高音はまだ幼い。
     探偵ごっこ、もとい、かくれんぼは、最近のお気に入りの遊びのようだった。
    「じゃー次はタイサがメータンテーの番!」
    「おっと、もうお昼寝のお時間だぞレディ。」
    「アラ!なら、おはなしして!寝るまで!」
    「ハイハイ。」
     バスタブを跨いだ男は、そのまま少女を持ち上げた。青いスカート がひらりと舞う。お昼寝号、出発進行。少女はきゃっきゃと喜んで、男に身を預けた。
    「到着。」
    「ありがとうございますなの!」
     どういたしまして。始終ご機嫌な少女は、素直にベッドの上、横になった。両脇に、顔の良く似た人形をボディガードとして携え、少女はその間に挟まっていた。
    「で、なんのお話をしようか?」
     男はベッドサイドに近くの椅子を寄せて、腰掛けた。
    「タイサが寝る時のおはなしして!」
    「寝る時?オレの?」
    「タイサはセンソーっていう怖いところから来たんでしょう?夜寝るのが、怖くはなかった?」
    「あー……」
     男は困ったように、頭を掻いた。後ろで一つに括った髪が揺れる。
    「実は、今の方が怖い。」
    「そうなの!?」
    「ああ。昔の方が、強がるのが得意だった。」
     そうなの……。どこまで分かっているのか判じ得ないが、少女の眼差しは至ってあたたかだった。
    「いつもタイサはどうしたら良く眠れるの?」
     男は身じろぎし姿勢を崩すと、窓辺へと目を向けた。
    「寝室の窓を開けておくんだ、ほんの少し。」
    「それで?」
    「そうすると、歌がきこえる。」
    「どんな?」
    「さぁ?だが、なんとも軽い調子のモンだよ。」
    「そうなの。」
    「ああ。だが、綺麗なんだ、それが。だから、他の色んなことも、綺麗に思えてくる。良い事じゃないけど、綺麗に通り抜けてたなぁ、とか、顔には傷一つなかったなぁ、とか、寧ろその場所全部更地になって、綺麗になっちまったなぁ、とか。」
     ふと顔を上げると、幼い相槌は健やかな寝息に変わっていた。
     男は閉じた瞼を眺めながら、ボディガードを雇った彼女の父親の仕事が、滞りなく進むことを願った。
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    Replies from the creator

    azisaitsumuri

    CAN’T MAKE現パロ幼馴染よーり。付き合ってない。
    どこか戸惑ったような感情を醸し出した男が、けれどそのまま口を開いた。「おまえがすきです。」それにおれは多少驚きながら。「おまえそれ、言うつもり有ったんだ?」言うと男は、いえ、と。やはり戸惑った儘呟いた。当の本人の戸惑う通り、本当に言うつもりはなかったのかもしれない。しかしこいつは、たまに今迄とはなんの脈絡もない行動を突然取ったりする。それをおれはその度に、こいつに、こいつの中で何かあったんじゃないかと心配するものだが、当人にはなんの心当たりもなく、普段通りにも関わらず自分でもそれ迄は思いもしなかった行動を取っているらしい。それを自分自身で疑問視していないのが不思議な話だと思うのだが、本人がこれなので、おれもそういうものだと思うしかなかった。一先ず言いたいことを言ったのだろう男の言葉を受け取ったおれは、しかしどうすることも特になかった。すると男がうろ、とまた口を開く。「おまえ、今迄誰かとお付き合いしたことあります?」「おまえと以外に?」「いや、わたしとも付き合ったことないでしょう…」「そうだな。おまえが思ってるような付き合いで、おまえが知らないような付き合いはないよ。」そんな付き合いがあればおまえに言っている、と言外に言ったがしかし少し考えた様子の男は。「おまえ、せふれがすきなんですか。」「なんでそうなる。」違うよ。「そんなものも居ない。」呆れながら伝える。
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