「創、たまには遠回りしてみないか?」
それは、夢ノ咲学院から星奏館へと向かう学校帰りの道程でのこと。授業が終わると一旦寮へと戻り着替えてからESへ向かう、そのいつもどおりの流れに沿って二人で歩き出した時、友也はそう創へ切り出した。
「遠回り、ですか?」
「うん、今日はESに行ってもお互いサークルの活動もない日だろ。光もに~ちゃんもそれぞれ用事があるみたいでユニット練習もできなさそうだし……ほら、天気もいいしさ!たまには二人で、制服のままどこか遊びに行くのもどうかな、と思って……」
友也は遠回りの理由をまるで台詞のように語りながらも、内心はドキドキと鼓動を上げていた。それはこれが、恋人への超久々のデートの誘いだからだ。
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