ポーションネタディルガイ「ご注文の品です」
「おいおい旦那様、俺は酒を頼んだのであって流行りのポーションを頼んだ覚えはないぞ?」
「君は飲み過ぎだ」
「だからと言ってエンジェルスシェアがこれを出すようになるとは思わなかったな……」
旅人が帰ってきたと思えば、エンジェルスシェアに顔を出した夜分。アルベドが彼女と弟子のスクロースを送ると言うことで、ならばと当然カウンターに残ったのはいつもの二人。もはや眠そうにしている子どもは自分が面倒を見ておくからと手を振るアルベドに今日は甘えようと残りの酒を煽れば珍しくオーナーから追加の酒かと思いつつ、そんなに現実は甘くないことを思い知らされたのである。
「最近働き詰めで楽に食事を取る気もないだろう。君は。今日だって蒸したジャガイモにほうれん草の付け合わせなど味が素朴なものしか口にしていないね」
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