めためた酒に弱いアズール「本当にね、リドルさんはズルいんですよ…」
また始まった…、とアズールの横でリドルは内心呆れつつ、手に持っていた度数の高いカクテルを煽った。
アズールは酒にめっぽう弱い。恐らくリドルが飲み交わすような知り合いの中で一番弱い。比較的度数が低く酔いにくいとされている、ミルクで割った甘いカクテルでも、一杯飲めば陶器のように滑らかで白い肌は赤く染まり、眼鏡の奥の目は据わり始める。それも三杯目となれば、どうなるかなど火を見るより明らかだ。
「……キミにズルいだなんて、言われる筋合いはないよ」
「頭脳明晰で魔法だってトップレベルで…」
アズールはリドルの言葉など一切聞こえていない様子で続けた。
伏目がちに、頬杖をついてため息を吐く姿が物憂げで色っぽく見える。
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