Veiled Horizonさわやかな海風、船の出入港を告げる鐘の音。屈強な海の男たちの掛け声が飛び交う賑やかなデッキの上を、のんびりとカモメが通り過ぎていく。
リムサ・ロミンサの街は今日も活気に溢れている。テッドは大きく息をつくと、フェリードッグの錨に腰掛けた。
今日の仕事は冒険者のものというより、誰でもできるような雑用だ。ベスパーベイからやってきた貨物船の荷の積み下ろしが主な作業だったが、おもいのほか荷の量が多く想定していたよりかなり時間がかかってしまった。
(お腹すいたなぁ…)
おそらくもう昼時は過ぎているだろう。
ちょうどそんなことを考えていたタイミングで休憩の声がかかった。空へ大きく伸びをして、中身の心もとない硬貨袋を手にマーケットへ向かう。ふと、ゲートに程近い場所に停泊している船に目が留まった。
4702