Part of your Heartさらさらと風が木々を撫でる音に目を覚ました。虫の声が耳に心地いい。
この部屋でウェドと一緒に眠るのにも慣れてきた。
ウェドがザナラーンに部屋を買ったと聞いた時は驚いた。住むところになんて全然関心がなくて、そのうえラノシア方面の仕事をメインにしているはずなのに…
しかも俺に一緒に住まないか、なんて言ってくるものだから、嬉しさと信じられなさとで咄嗟に言葉が出てこなかったほどだ。
とはいえあの廃船を手放したわけではなく、最近はさらにもう一つの拠点として、ウェドの知り合いだという大きなロスガルの男がミストヴィレッジの家を貸してくれる予定になっているらしい。
ザナラーンのこの部屋は、俺とウェドだけの新しい「隠れ家」といったところだろう。場所をわざわざこっちにしてくれたのは、俺のことを気にしてくれたのかな、とも思う。
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