宵の口 酔いに任せて 君を喚ぶ「お前はどこに泊まりたいんだ?」
そう言うと返ってきたのは、「せっかくのお呼ばれだから魔王城に行こうかな」という言葉で、全ての感情を抑えてやっとのことで「おまえならそう言うと思った。ゆっくりしてこい」と言葉を発した以外のことはなに一つ覚えていなかった。
どうやって自分の部屋に戻ってきたのかもわからないのにベッドに横たわる俺。ベッドサイドにはいつの間に手にしていたのか、とっておきのためにと取っておいたはずのデモナスが瓶のまま置かれており、どうやら俺はそれを一人であおっていたようだと悟る。無言のままにそれを持ち上げて傾けると、中身は相当減っていた。
ぼーっとする頭でも、考えるのは彼女のことばかりだ。
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