2/9新刊書き下ろし愛してるってこういうことなんだろうな
二杯も食べて温まったのか耳まで少し赤くしながらお雑煮を頬張る悟を見ながら、かまぼこや黒豆をつまみに悟の分の雑煮を作りながら温めた日本酒を飲む。ふと部屋の外に目をやると、雪が降り始めていた。
そういえば、一年の初めて一緒に過ごした正月も雪が降ってたっけ。朝起きた悟は雪を見て外に飛び出して、一緒に雪遊びしたな。
そんなことを思い出していたら、悟は雑煮を食べ終わったようで。立ち上がったから何かお菓子でも取りに行くんだろうと思ったら、私の方にやってきて跨がって抱きついてきた。
「……悟?」
名前を呼んでも何も言わずに私にさらにきつく抱きついてくるから、首筋に悟のふわふわの髪が触れてくすぐったい。その髪に触れたくなって、私も悟を抱きしめて髪を撫でた。昨夜、久しぶりに抱き合ったけど、こうしてただ抱きしめ合っているのなんていつぶりだろう。
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