補ロラが倉庫に閉じ込められる話 司書補はドアのハンドルに力を籠めることを、ついに諦めた。スライド式のなんの変哲もないドアがこんなに固く閉ざされてしまうなんて。
司書補は今閉じ込められているこの倉庫の次に、掃除用具置き場へ行くつもりだったのだ。そこへ運ぶための掃除用具を、この倉庫の外に立てかけたのを覚えている。きっとそれが知らないうちに倒れて、ドアにひっかかってしまったのだろう。
こうなれば、外を通った誰かに気づいてもらうまでじっとしているしかない。あるいは、一緒に閉じ込められている上司の力でどうにかするか。
少しだけ期待をこめて司書補が振り返ると、その上司――ローランの姿を五メートルほど離れた部屋の奥に見つけた。しかし、ローランは床に置いてあるビーズクッションの上でぐったりと横たわっているのだった。
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