起きてる時に言いやがれそれは、ある実習の帰り道だった。
その日の実習は「近くの城の密書の内容を調べてこい」という、六年生が六人でかかれば三日もかからぬような、簡単な任務だった。事前にい組が仕入れた情報を元に計画を立て、陽動はろ組、密書の複写はい組、脱出経路の確保と殿はは組の担当だった。それぞれが決められた職務を全うし、頃合いを見て戻ってくる手筈としていたが、六人が再び集合場所に戻るまではたった一晩しか必要無かった。
「よし、全員揃ったな」
仙蔵の言葉に、残りの五人が静かに頷く。
「い組は予定通り密書の内容を盗んできた。途中怪しまれる事も無ければ、戦闘にもなっていない。他の組はどうだ?何か問題があったり、怪我をした者は?」
仙蔵の問いかけに小平太がニッと笑う。
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