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    yuuan0

    @yuuan0

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    拙宅の樒とまるさん宅の姫ちゃんの出会い。

    土蜘蛛のお姫様(樒視点)ある寒い冬の日。
    師走のおそらく18日だったと思う。
    俺は殺しの任務のために忍び込んでいたのだが……

    「はぁ、ついてないな」

    ちょっとした事で暗殺がバレてしまい、こうして逃げる羽目になっていた。
    そんな時、女が雪が降る寒い中檻に捕えられ、寒さに震え蹲っていた。隣の檻には息をしていない死体もあったがまだ女は生きている。

    俺は少し気になり近寄った。
    そして近づくにつれその女に見覚えがあることに俺は気付いた。
    それは何度か遠目にだが見た事がある土蜘蛛のお姫様だ、確かに捕まったとは聞いていたがこんな所にいるなんて……
    俺はつい檻の目の前まで行き、声をかけてしまった。

    「……土蜘蛛の、お姫様」

    そうして俺の言葉に顔を上げたお姫様はボロボロだった。
    沢山の拷問を受けてきたんだろう傷や火傷痕、打撲の痕まで……きっと彼女は辛い筈だ、今もこんな寒い中放っておかれている。
    俺はしゃがみ込み、考える間も無く彼女に手を差し出した。
    それに彼女は応え、俺は彼女の冷たい手を両手で包んだ。

    ああ、こんなに冷たくなって…どうして彼女がこんな目に遭わなければいけないのか。
    彼女は俺に一言声をかけてくれた人で、それがきっかけで俺はこの人が好きになった。
    そんな事を思い出していると「……誰?」とお姫様は言った。
    そうだよなぁ、俺の事はきっとわからないよな、それでも俺は彼女を……

    少しでも楽にしてあげられるよう、言葉を紡いだ。

    「選ばせてあげるよ」
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