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    あのにむ太郎

    いかがわしい絵とか?

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    あのにむ太郎

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    自創作のカプが麦茶ックスの亡霊に立ち向かう話。
    品性が無くしょうもない

    麦茶ックスの〇ースト〇スターズ微かな水音。
    繕う気の無い荒い息遣い。
    体の熱は夏の暑さのせいだけではない。
    2人は愛し愛されていた。
    痛く無いかだとかキツくないかだとか、短い言葉を交わし互いに触れあう。
    充分に柔らかくなる体に己を受け入れてもらっても良いか聞くと、何も答えない。
    嫌な事は嫌だと言う事は知っている。
    知っている事も向こうは知っている。

    いよいよという時に、部屋の片隅の麦茶が爆散した。

    「う”ぉあ”ぁぁぁぁああ”あ”ッッッッ」
    余りの異常事態にアイザックは叫んだ。
    貴丙は固まった。
    間欠泉のように轟音をたて、明らかにコップの内容量をオーバーしている麦茶が止めどなく噴出する。
    「まさか…麦茶ックスの亡霊…?」
    「麦茶ックスの亡霊!!?」
    「今まで自分の存在を忘れられたまま人間が情事に及び、氷が溶けて薄まる事で飲まれず廃棄されてきた麦茶の怨霊です」
    「そんな事があるかよ」
    そんな事があるかも何も、現に今超常現象が目の前で起こっている。
    「まじ萎えちゃった…」
    「うわ冬場みたいになってますね」
    只でさえ一度ストレスでEDになっている程度にはナイーブな息子なので本当に優しく接してほしい。今だって愛する人間が全裸で傍らにいるというのに臆病に縮こまっている。
    貴丙の息子を見ろ。こんな状態でも物怖じせず堂々と胸を張っている。それでいて驕り昂る事無く平然とただ佇んでいる。まるで当然の事のように。日本男子はかくあるべしと言うように。
    そういう所が好きだ。うちの馬鹿息子にも見習ってほしい。

    お互い続きを…という感じでもないしそもそも放っておける状態では無いので服を来て恐る恐る麦茶に近付いた。
    持ってくる時に入れた氷の姿は無く色がやや薄い事から、先程の話の信憑性が増す。
    この世に、人間に、生きとし生けるエッチな事をする存在全てに相当の恨みがあるようだ。こいつが麦茶で良かった。麦茶で無ければもっとこう、平さんちの将何とかくらいのとんでもない存在になっていた気がする。
    「取り敢えず、取り敢えずというか、祓うしか無いですね」
    「祓えるの?っぱ日本人ってすげーな」
    「専門的な知識なんて無いですよ。ですけどまぁ、何となく麦茶側の事情も分かるので根本の問題をなんとかしてあげれば成仏するんじゃないですかね」
    そう言うと貴丙は部屋を後にした。
    置いてかれた?マジで?あんだけ言っといて?麦茶と密室で2人きり?間欠泉麦茶と?
    スマホとプレ〇テとス〇ッチが水没している。
    前者はともかく、任〇堂の神対応は知っているのでス〇ッチは恐らく大丈夫だ。
    昔3〇Sの表面に仮面〇イダーのシールを大量に貼った状態で修理に出してしまい蓋的な部分なので廃棄されてしまうだろうなと思ったが、綺麗に修理されたD〇と共にシールを貼った部分が緩衝材に梱包されて帰って来た時は感動した。こういう小さな感動の積み重ねが人を強く優しくするのだと思う。
    任天〇、愛している。道徳の授業で教師が気に食わない事ばかり言ってしまう俺に優しさを教えてくれたのは〇天堂だ。
    そんな事を考えていると貴丙がガスコンロとやかんを持ってやって来た。
    「置いてかれたかと思ったわ心細かったぞ」
    「これで麦茶を再沸騰させましょう。水分が蒸発したりお茶の成分がどうこうなって化学反応うんたらかんたらで元の濃度になる筈です知りませんけど」
    「なるほど!その状態の麦茶を俺達が飲めば麦茶の現世への執着が無くなるわけだ!」
    「多分ですよ多分…ほんと知りませんけど…そう言う事なんで麦茶さん、ちょっと落ち着いて貰えます?」
    貴丙の言葉に反応するように麦茶は静まる。
    「収まった!一生そうしとけよ」
    再び麦茶は爆発する。
    「余計な事言わないでもらえます???大丈夫です麦茶さん、貴方は絶対に俺が成仏させます」
    麦茶は大人しく従う。
    やはり恨みの根底は悲しみなんだ。
    貴丙は俺みたいに終わってる奴にだって麦茶にだって優しく真摯に向き合ってくれる。
    麦茶もそれが分かるのかもしれない。
    実際はただ貴丙が面倒な相手には下手に出るのが一番楽だと思ってるタイプだからだが。

    やかんに麦茶を注ぎ、ガスコンロにセットする。
    「麦茶さん、俺達のせいで少し濃度が心もと無いので少し茶葉を追加して大丈夫ですか?なるべく美味しく飲んであげたいんです」
    「ピーーー!」
    「火にかけてもないのにピー鳴ってる」
    「ありがとうございます、少し協力してくださいね」
    「肯定のピーなんだ」
    カチッ、カチッ、ボッ
    ガスコンロの火がつく。
    「坊っちゃん」
    「ん?」
    「人間って愚かですね」
    「この短時間でありえないくらい麦茶に感情移入しちゃってるじゃん」
    「さっき自分の〇イッチが水没してるの見たんです。怒りでどうにかなりそうだったんですけど、麦茶も麦茶なりの考えがあるよなと思って麦茶の視点に立って考えたらやっぱ俺達人間のせいなんですよ」
    「任天〇は神運営だから多分完治するし何でするよって時にスイッ〇持ってきたの??」
    「色違いのパ〇リスが可愛かったので…」
    「見せたかったんだ。俺も水没したから一緒に修理出しとこうか?」
    「そうしていただけるとありがたいです」
    「ピーーー!」
    「なにこいつ」
    ぐらぐら音をたてている。
    どうやら沸いているようだ。
    「熱いまま飲んじゃいましょう。一刻も早く成仏していただきたいので」
    「あったけーまま飲んだことねぇな~~~」
    「結構いけるとは思うんですけどね…」
    湯飲みを用意し、注ぐ。
    「「ちんち~ん」」
    乾杯をして飲んだ。
    「あっ、やさし……」
    「やさし~い味ですね。まぁ茶葉自体ちゃんとしたところから取り寄せてるのでそれはそうなんですけど」
    「なんなら温かい方が好きかも。今日が笑っちゃうくらい酷暑な事を除けば最高だわ」
    「坊っちゃん見てください」
    やかんがキラキラと光り、光源の分からない光が差し込む。
    やかんの蓋を開けてやると、小さな天使が空から降りてきてやかんに手を突っ込んだ。
    そして何かを掴んで空へ登っていく。
    あれはきっと、麦茶の魂だ。
    精子の頭の丸い部分をでっかくしたような見た目のオーソドックスな魂。
    麦茶は未練を絶ち救われる事を望めたようだった。
    天へ天へと登っていく天使と麦茶。
    爆裂に熱い飛沫が俺達を襲う。
    爆裂な舌打ちをする貴丙。
    さようなら、麦茶。
    次に産まれる時お前が安らかな人生を手にいれる事を願っている。

    「………どうする?」
    「………パチリ〇いります?」
    俺達のちんちんは動かなかった。
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