短々編その2その日、青年は珍しく仕事が無かったため、毎回の事ながら夜遅くまで飲み歩いていた。
昼過ぎに起きた後食事を済ませると、夜まで二度寝をする。
そしてそこから飲み歩くという、もはや自堕落と言っていい過ごし方が青年の休日だ。
泥酔した勢いで女性に絡み、あれよあれよとホテルへ連れ込み、そして翌昼に一人で目を覚ます頃には全てを忘れている。
それが彼の休日の過ごし方だった。
「あー……だりい」
夜の街に繰り出した青年は、一人呟いた。
時刻は午後10時を回ったところ。
しかしまだ街は眠らず、むしろこれからが本番だと言わんばかりに賑わっていた。
そんな街の中、青年はふらふらと歩きながらも、どこか目的地があるのか迷いなく進んでいく。
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