ゆるふわ監禁 朝目覚めると左馬刻に抱きしめられている。それはここに住み始めてから変わることのないことの一つだ。
もぞもぞと起きて、ベッドから足を下ろすと右足首に付けられた足枷の鎖の音がする。これも変わることのない一つ。肌に触れる部分はファーになっていて、長時間着けていても足が痛くなることもない。鎖はベッドの足に繋がっていて、家の中を歩く分には充分な長さがある。
鎖の音を鳴らしながらキッチンへと向かい、朝食の用意をする。左馬刻はいつも朝食を食べないが、珈琲は飲む。珈琲を入れるのは左馬刻の方が上手いが、少し教わった一郎が珈琲を入れるのは朝の日課だ。オール電化のこの家のキッチンは最初こそ戸惑ったが慣れればなんてことはない。
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