雨時刻は22時。
天気は雷雨。
遠くで雷が鳴っている。
と言っても早川にとっては心地いいレベルだった。
早川はというと電気もつけずにソファに横になっている。
今は家事などを終え、体を休めているところだ。
明日は休日のためかなり気が抜けている様子。
大きめのソファは心地が良く、ベッドとしても悪くないものとなっている。
そこで流れる雨の音を聞いている。
あまりの心地よさに早川は眠り始めた。
そんな早川をよそに窓にうつる不気味な影。
ずぶ濡れになった睦月麻白である。
窓越しにまじまじと早川の寝顔を見ると、何事もない顔をして窓を開けて入ってきた。
なんと、早川は洗濯物を取り込む時に鍵をかけ忘れていたのだ。
しかし不幸中の幸い。もし鍵が空いてなければ、ガラスがまあるく破損していたところだった。
それはさておき、という様子で洗面所に向かいバスタオルを拝借し
体を拭いたのち、床を少し拭いた。丁寧である。
てて、とソファに近づき再び早川の寝顔をまじまじと観察している。
睦月が何を考えて寝顔を見ているのかは知る由もない。
(睦月は家の鍵を学校に置きっぱなしにしていたため、不法侵入してでも取りに戻ろうと思ったらこの雨、近くに早川宅があったので侵入した次第)
しばらくして寝顔を見るのに飽きたのか、濡れた服を洗面台に置き勝手に風呂を借り、そして勝手に服を借りた。サイズが大きいスウェットのためワンピースのようになってしまっている。
髪も勝手に乾かし、誰もいない大きいベッドに潜り込んだ。某三匹のクマを彷彿させる状況だ。
あたたかい寝床を獲得した睦月はすやすやと眠りについた。
深夜2時、早川はぼんやり目を覚まし体を起こした。
流石に気配を感じる。
痕跡を辿ると気配は寝室にあるとわかった。
ゆっくり扉を開けると自分のベッドで誰かが寝ているではないか。
しかしこの時点で誰なのか、何となくわかってしまった。
布団をめくると眠っている睦月がいた…
早川は脱衣所にある睦月の服を洗濯にかけ、
乾燥機を回した…
おわり