問 私の現在地
「ビリーくんたすけてー!」
絶叫に近い声が空に響く。
私の身体は今、空中を舞って…落ちている。重力をここまで呪うことは無い、ぐんぐん地面に引き寄せられる。
おまけになんだか、嫌なものが…地面で蠢いているような…。
「座標位置はきちんと確認してるけど、どうしても多少ズレはあるし、万が一何かあっても、君の頼もしいサーヴァント達が何とかしてくれるはずさ☆」
天使のような顔から発されるとは思えないほど、無責任な発言が頭に過ぎる。
「ほんと無茶苦茶だなぁ!もう!」
真っ先に名前を呼んだサーヴァントの声が左側から聞こえた、と同時に右腕を身体に回される。
安心する間もなく、最愛の人に最悪の事態を伝えなければならない。
「ビリーくん、あの、いきなりで申し訳ないけど、宝具撃てる?」
「丁度いいクッションがあって良かったよ、全く…」
地面で蠢いていた、ぽっかりひとつ風穴の空いた、そのクッションの上に無事着地…した私とビリーは、どちらからともなくため息を吐く。
「とりあえず、怪我はないかい、マスター?」
そう言って差し出した手を掴むと、すぐさま引っ張りあげてくれた。華奢に見えても、サーヴァントなのだ。
「まぁ、レイシフト早々、敵を撃破出来たんだし、良かったねって事で」
「ポジティブなんだか呑気なんだか…」
またため息を吐きそうなビリーに「がんばろー!」と声を掛ける。
さぁ、作戦開始だ!