めんどくさいことになった…
あの夜中に会ったっというか殺されかけた殺人鬼
名前はけいらしいが…
あいつを何度刑務所にぶち込んでも脱獄してきては
俺の目の前に現れてくるようになった
嫌な虫がついた…
殺人鬼が俺の回りをうろついてるなんて『あの人に知られたら』
そんなことを考えれば背筋がぞくっとするし
あの頃の記憶を思い出し吐き気がする
あの人に頼めばこいつの処理も簡単にしてくれるだろうが
せっかくあそこの仕事を辞めたのにわざわざ会いに行きたくはない…
そんなことを考えていれば
今日も今日とて同じ場所で待ち伏せしているけいがいた

「やっほー」
「…」
「え、無視？」
「…」
「ライトー？」

最初こそさん呼びだったが最近は馴れ馴れしくタメだ
無視してみたはどうだと思ったがこいつは黙って俺に着いてきた

「…着いてくんな」
「あ、やっと反応したー」
「俺はこれから帰るんだから」
「最近冷たいー
刑務所にすら連れていかなくなったじゃん」
「どうせ連れてっても即脱獄だろ？
もう意味がわからん」

最近になり思う
こいつは本当に人を殺してきた殺人鬼なのか？…と


「だからついてくんな」
「なんでよ」
「俺はこれから家に帰るって言ってるだろ
家にまでついてくんなってことだ」
「えぇー…分かったよ……」

けいは渋々といった感じに俺の後をつけるのをやめて消えた
ほっと一安心