原神BADENDルート………長い、余りにも永く感じる様な旅路だった。
妹を探すために始めたこの旅路、得た物も大きかったけれど、失った物もまた数え切れないほどだった。
仲の良かった友人、信頼していた仲間達、最高の相棒だと思っていた小さな精霊
全てを失って、俺は此処にただ1人で立っている。
……だけど、それももうすぐ終わる。
空の光が届かないほどに暗い大地、所々に焚かれている蒼白い炎がボンヤリと道を照らす中、石造りの冷たい道を身体を引き摺りながら歩みを進める。
俺のゆっくりとした歩みを見守るようにアビスの魔術師が周囲をクルクルと回っているけれど、特に攻撃の意思は感じないからそのままにさせておく。
そもそも相手にする必要すらないんだ。だって彼らは妹の遣いの者たちなんだから。
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