「合わせて宣言したら良いと思うのだが」
思い切ってもう一度提案してみる。
「ああ?」
明日の準備に忙しい彼は、最終チェックと掃除に余念がない。それでもエルヴィンからの問いかけにはいつも通り反射的に手を止めて振り向いた。
「何をだ」
「俺たちのことを」
「俺たちのこと?」
「結婚したと」
「…してねえ」
「では将来末長く共に寝起きし、互いを助け、貞操を守り、ここで紅茶屋を営んでいくことにしたと、開店を祝いに来た客全てに話して回るか?」
リヴァイがエルヴィンの命令に従わないことは無かった。では提案はどうだ。多少の願望と我儘が混じったお願いに対しても同じことだ、彼はエルヴィンの意を汲む事に長けていて、誰よりも近くでそれを受け入れる事を嬉しく思っている。
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