マッチングはいらないです/今の出会いを大切に、だよね[マッチングはいらないです。]
「貘さん聞いてくださいよ!ちょっとムカつくことがあったんです!」
「うんうん。貘さんになんでも言ってごらん!梶ちゃん!」
「…それが、昔の同級生にこの間久しぶりに会って酔ってる隙に写真撮られたみたいで…マッチングアプリに勝手に登録されたんです!!」
「は!?!?」
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> 梶隆臣vsマッチングアプリ <
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「はっ、へえ〜、ふーん!?」
「なんでそんな焦ってるんですか?貘さん、もしかして…」
「もしかして…なんだと思うの?梶ちゃんはさ。」
「貘さんも登録してるとかですか!?」
「いや違うよ。違うんだけどさ。」
「あ、ならもしかして…立場上色々な人の目についたら俺ヤバいからですか?」
「さぁっすが!キモ冴えてるね〜!」
「じゃあすぐに僕のデータ消しますね。ちょっと気になってはいたんですけど、支障が出てしまうのならやむを得ないですし。」
「うん。そうしておいてね。」
「分かりました〜…アイツにあの写真のデータ消してもらうのも頼まないとな…。」
「よろしくー」
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[今の出会いを大切に、だよね]
「やばかったあ〜!!!!!!」
そう、実はあれは俺が金で梶ちゃんの過去の友人ってのに頼んで梶ちゃんの好みを知るためにした行動だった。
でも意外や意外。梶ちゃんは今の出会いで満足しているみたいで…あれ?それってさ、俺のことめちゃくちゃ気にかけてるよね?
「…そっかそっか。今は貘さん一筋なワケね。」
梶ちゃん、俺は間違ってたよ。
好みのタイプ聞き出したり、どんな女の子に手を出すのかと思ってたけど、今の出会いがあるので満足なんだね。嬉しいよ。
「じゃあ、これからも満足させてあげるからさ。変に出会いなんて求めたらダメだよ?」
そう言いながら俺は、酔った梶ちゃんがカメラに向かってピースしている…件のマッチングアプリで使われた画像等の入ったスマホにある沢山の梶ちゃんの画像を眺めた。