【再会】【再会】
ノボリがいなくなってどれだけ時が経っただろう
ノボリのいない世界
それでも1人残されたクダリはノボリの帰りを待った。
突然いなくなったサブウェイマスターに世間は有る事無い事を面白おかしく画面の向こうで騒ぎ立てる
時には2人にとって特別な場所でさえ押し寄せ口々に行方不明の原因やある筈のない不仲説まで問うその口元は薄ら笑いを浮かべ次第にクダリの心を蝕んでいく
そんな時唯一の心の支えだったトレインの閉鎖がとどめを刺した。
どんなにてつどういんがサポートを務めても動けるのはダブルトレインのみ、改善を早急に求める上層部は採算の見込みの無いバトルトレインを切り捨てたのだ。
ノボリが大好きだったこの場所が無くなる事で保たれていたクダリの心は完全に壊れてしまった
「きみがいない世界になんの意味があるの?」
壊れた心は世界を壊し始めた
『全部壊してもいいよね』
ノボリの残したパートナーたちと一緒に世界を壊す
ノボリのパートナーたちやクダリのパートナーたちは戸惑いながらもクダリに寄り添いクダリと共に世界に挑んだ
その身が傷もうともクダリの傍を離れなかった
だが次第に世界は彼らを追い詰める
今はもう人がいない村そこにたどり着いたクダリたちは村で1番大きく丈夫な建物の一室に身を寄せていた。
時折響く攻撃音
そんな時クダリが彼らを抱き
その口調は優しい以前と変わらない
「ごめんね、君たちを巻き込んで 、ここまでかな⋯今までありがとう、君たちだけでも逃げてほしい今ならまだ裏口から出れば⋯わかっている勝手なお願いだって、ここまでぼくの身勝手に付き合ってくれて本当にありがとう、ダメだよ逃げて、君たちまでいなくなったらノボリが悲しむから、お願いだから行くんだ!!」
最後まで動かなかったシャンデラも引きずられるようにこの場を後にした。
建物が大きく揺れる
『願うならもう一度』
祈る様に膝をつくクダリが口にしたのは、
「ノボリ」
最後の場所を後にしたパートナーたちは草の生い茂る獣道を進む
そんな彼らの前に現れたのは忘れるはずもない姿
「クダリの所に案内してくださいませんか?」
懐かしい声
今度はパートナーたちは頑として傍を離れない
優しい指が彼らと短い抱擁を
そして
駆け出すのは1人残されたクダリの場所へ
『あの子が壊してしまった世界なら罰は私も受けましょう
もう離れたりしない』
再び揺れる建物
砂埃が舞う中瓦礫で前を進むのを拒むも足は止めない
壊れた扉を開け目の前にいるのは
恋焦がれた愛しい人
「クダリ!!」
「ノボリ⋯?」
世界が再構築されていくこの世界に彼らに未来を!!
end