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    鯖の倉庫

    @palewingtwkkk

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    鯖の倉庫

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    レイフィロ現パロ大学生編小咄。
    糸織が和泉くんにちょっかい出す話。

    #レイフィロ

    少し遅めの夕飯を終え、腹ごなしも兼ねてベランダで一服していた。冬真っ只中で冷えるが今日は比較的暖かく、肌着を一枚羽織っていれば耐えられる温度だ。とはいえ寒い事には変わりないので、吸えても二本が限界になりそうだけど。
    頭上に広がる星空を見ながら、明日は洗濯日和になりそうだな、なんて考えていたら、後片付けを終えた和泉がこちらにやってきた。

    「ありがと、お疲れさま。吸う?」

    「ん」

    返事を聞いて持っていた煙草のケースを差し出すと、おれの隣に来た和泉がこちらに手を伸ばしてくる。
    ……その時ふと思いついて、煙草を取ろうと近付いた和泉の顔に、煙を吹き掛けてみた。

    「っっ……てめ、いきなり何すんだよ……っ」

    「んー……これ、
    和泉からしてもらわないと意味ないのか……」

    咳き込みながら煙を散らそうとしている和泉をよそに、
    悪びれもせず首を傾げた。そんなおれの様子を見た和泉が鋭い目つきでこちらを睨んできたけど、見慣れているから怖いとは思わない。

    「は?何訳わからねぇこと言ってんだ」

    「……あれ。もしかして知らない?」

    「だから何の話だよ……」

    「そっか」

    どうやらおれの行動の意図は伝わっていないらしい。意味を教えようかと思ったけど、なんだか勿体無い気がしてやめた。折角なら自分で調べて欲しいのと、……少しだけ、悪戯心が湧いた。
    怪訝な顔をしてこちらを見ている和泉の顎を持ち上げて、口付ける。彼が僅かに身動いだけれど、抵抗はされない。それをいいことに唇の隙間から舌を差し入れてみた。今度は驚いたみたいで胸を叩かれたけど気にせず、舌を絡めたり歯列をなぞったりして口内を蹂躙してみる。存分に楽しんでから唇を離せば、糸のように細い唾液が2人の間を繋いでいるのが見えた。

    「……なに急に盛ってんだよ……」

    和泉が肩で息をしながら口元を拭っている。頬が少し赤らんでいるのを見てぼんやり「唆るな」なんて思ったけど、今の状況でそんな事を言ったら流石に殴られそうなのでやめておいた。

    「嫌いじゃないだろ?」

    そう答えて火をつけたままだった煙草を咥えようとしたら、随分と短くなっていたのでそのまま携帯灰皿に押し付け、部屋に戻ろうと立ち上がる。2本目を吸うには体が冷えた。

    「嫌いじゃなくても驚くだろうが」

    和泉はそう吐き捨てながら、眉間に皺を寄せ煙草に火をつける。
    なんやかんや言って、おれのする事に対して嫌とは言わないのだ、この男は。それがなんだか可愛く思えてしまい、つい笑いが零れた。声は抑えたつもりだったけれどしっかり届いていたようで、和泉が舌打ちをするのが聞こえた。もう少しからかってもいいが、これ以上機嫌を損ねると厄介だ。そろそろ退散しようか。戻ってきた彼も体を冷やしているだろうから、ついでに温かいお茶でも淹れておこう。

    「和泉」

    「…………ンだよ」

    部屋に入る間際声を掛けたけど、和泉は振り向きもしない。構わず続けた。

    「ちょっと考えてたんだけどさ。おれ、和泉なら抱けるよ。きっと」

    それだけ言って部屋の奥に消える。少ししてから盛大に咳き込む声が聞こえてきたものだから、こちらも盛大に噴き出してしまった。……でも嘘を言ったつもりはないので、詰め寄られても撤回はしないつもりだ。
    さて、この分だともう暫く部屋に戻ってこなさそうだから、風呂も沸かしておこうか。そう思ってポットをセットした後、風呂場に向かった。
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