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    Eugk_k

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    dc_hatobannu

    DONE深夜の割増(赤安)その日もまた、降谷は疲れていた。
    黒尽くめの組織のバーボンとしての任務、喫茶ポアロの店員としての勤務、そして警察庁警備局警備企画課としての業務が重なりまさに分刻みの一日を過ごした降谷は、帰る力も無く深夜の霞ヶ関の路肩に車を駐め仮眠を取る他なかったのだ。
    ここから自宅まで大して遠い訳でも無いが、毎日一人では抱えきれない程の仕事をこなし、帰宅して明日を迎えればまた同じような違う日々が続いていく。彼に取ってこのひとときの仮眠は、仕事を終えたというスイッチを真っ先に切る役割を果たしていた。
    そんな彼に、今日は普段と異なる出来事が。
    こんこん、と助手席側の窓を叩く音。人の指だ。浅く眠っていた降谷はその音でぱちりと目を覚まし、音を鳴らした主を見やる。深夜見回っていた警察官か、はたまた仕事場の人間か。しかしその予想は大きく外れ、降谷を驚かせた。
    深夜の冷たい風にふわりと揺れる黒い癖毛。暗闇でも光を集めて見せた新緑のグリーンアイズ。身をかがめて覗き込んだようで、普段と異なる黒いキャップのつばがコンと音を鳴らして窓にぶつかった。
    「やあ」
    「赤井…」
     何故お前がここにいる、何故碌な変装もせずにいる。何 2554

    ヰノ

    DONE鶴丸さんの魔法の袂(漫画まとめ壱[https://www.pixiv.net/artworks/79053351]収録)
    セルフノベライズチャレンジそのいちです。
    「どうしたどうした、失くし物かい」
     平野藤四郎の耳にその声が届いたのは、出陣準備を終え転送門へ向かう道中、粟田口部屋弐の前を通った時だった。明るく軽い調子だが、決して茶化すような響きではない、気遣った声。室内を覗くと、べそをかく五虎退と向かい合う鶴丸国永の姿があった。
     「そういう時は深呼吸だ。道を遡って探してみような」
     ――この本丸の鶴丸様は、時折魔法使いのようになる。
     一つずつ思い出そう、と人差し指を立て、兄弟を導こうとする鶴丸の姿が、平野には不思議なものに見えた。本丸でも充分年長の部類に入る鶴丸だが、その振る舞いはときに子供のようであり、またときに老熟した賢者のようでもあった。
    「あっ!ありましたー!!」
     いち兄から貰ったハンカチを無事見つけ出し、安堵からかうえええと一層泣き始める五虎退に、鶴丸は少し呆れたような顔をして、「見つかったんだから泣くこたないだろう」と呟く。そしてその白い袂に片手を突っ込み、何かを探し始めた。
    「仕方ない、鶴さんのとっときだ」
     す、と引き出された手で掲げられたのは、セロハンで包まれたまるい飴玉だった。五虎退はそれに目を取られ、一瞬涙が止まる。 2560