被害者の会を作ろう。会長は私ね。「胡桃」
「なーに、どうしたの行秋坊っちゃま」
「相談があるんだが、いいかい」
「え、私に?珍しいね、どんなこと?棺は必要?今なら30パーセントオフだよ!更にそれに加えて、友情割引も……」
「胡桃」
「も〜せっかちだなぁ!最後まで言わせてくれたっていいじゃんか!あ、それとも〜?ちょっ〜と厄介なお客さんだったり?うんうん!そっかぁ!じゃぁ私がお話してあげよっか…」
「重雲のことが好きかもしれない」
「もう無理!!被害者の会を作る!!」
だん!!っと思いっきり机を叩いたのは往生堂堂主、胡桃。普段はあちこちを飛び回っていて考えていることが読めない少女が、層岩巨淵に引きこもっていた私を(半ば無理矢理)引っ張っていった。「やっと見つけたわ旅人…」と怨霊でさえも怯んでしまいそうな恐ろしい表情で腕を掴まれた時には、パイモンと一緒になって情けなく大声で叫んでしまった。あの場にキノコンと幻形イノシシ・水しかいなかったのがせめてもの救いだ。誰かがいたら確実に笑われていただろう。閑話休題。今ここには私とパイモン、胡桃以外にも香菱がいて、集まって一言目。それは集まった理由でもなく、急に招集したことへの謝罪でもなかった。被害者の会?と聞いたことのある言葉に、パイモンと目を合わせる。
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