はちみつぷれい その夜、ピーター2と僕はしたたかに酔っていた。
久々に二人きりでゆっくり過ごせるのが嬉しすぎたから、適当に買ったワインが思いがけず美味しく飲みやすかったから、超人的パワーを持っていても僕らが別に酒に強いわけではないことを忘れていたから……原因はどれでもいい。問題は、僕にソファに押し倒されたピーター2が、手前のテーブルに立っている蜂蜜ボトルを指さして、こう宣ったことだ。
「あれ、とってくれない?」
僕を映す瞳はじれったそうに熱を孕み、すでに僕のキスを何度も受けた唇はてらつき、息も乱れている。そんな状態の彼の言葉に、僕は意味がわからず困惑した。
「はちみつ……? なんで?」
なぜ蜂蜜があるかというと、カマンベールチーズやブルーチーズにかけると最高のワインのつまみになるからだ。しかし酒宴が終われば、この甘味料に出番はないはず。……まさか飲むのだろうか?
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