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    うころちょくろ

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    うころちょくろ

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    FEHエフリオ(総選挙・通常)
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    総選挙は親友こじらせてるといい

    #エフリオ
    efrio.

    熱視線エフラムの目が怖い


    召喚された未来のエフラムになにを話しかけていいものか悩んで、貫かれるような視線と目が合うとすっかり竦んでしまって、結局自分から近づき難くなってしまった。





    (エフラム?)

    前を歩いているのはとうに気付いていたが、この先の部屋に用があるのも事実で、わざわざ引き返すのも気が引けて、あの目が向けられていなければいいかとなんとなく後ろをついていくような形になっていた。しかし突然、前を歩いていたエフラムがくるりと引き返し、リオンの目の前に無言で立ち塞がった。いくらか成長した姿は自分が知る姿より大きく感じ、その圧迫感に戸惑い、いつものごとくなにも言えないでいるとエフラムの肩越しから小気味よい足音が聞こえてきた。「鍛錬の時間だぞリオン!」と目の前の人物と同じ声が軽快な調子で聞こえて、ドキリと心臓が鳴った。「エフラム、そんなに急がなくたって大丈夫だよ!」そして相槌を打つ、自分のものであって自分のものではない声。比翼英雄と称される、エフラムとリオンの二人がパタパタと駆けていき、T字の廊下の端から姿を見せる。リオンのほうはこちらに気付いたようであった。比翼の片割れであるエフラムはもう端へとさしかかっていた。

    「……どこまで干渉していいものか悩むな。」

    突然、目線の上から声が降り掛かった。今目の前にいるエフラムだ。干渉。なるほど、あの比翼の二人に気遣って、このように接触してきたのかもしれない。エフラムが廊下を駆け抜けていった先で、リオンに「当然だろ、俺達なんだから」と声をかけるのが聞こえた。大方リオンが今の自分たちに言及したのだろう。一緒にいるのが当然だと…あのエフラムは信じているのだろう。ところが、このエフラムと会話するのは、実のところ今回が初めてであった。

    「……あ、えっと…あんな風に信じられてたら、確かに……」
    「リオン、お前のことだ」
    「え…?」
    「お前をこの手で貫いて、リオンがどこにもいなくなってしまったそれからの時間は……俺がやるべきことや、忙しさで気を紛らわすこともできたさ。」

    どうして自分の鼓動が鳴り響くのか、不思議に思うこともあった。確かにあのとき、刺し貫かれたはずなのに。激しく打ち立てるそれに、エフラムの言葉に、二の句が告げられない。エフラムもまた、リオンの正体に確信を持ったようだった。

    「だが今、お前が……違う世界の存在なんだとしても。リオンが生きているということのほうが、どうにか……してしまいそうなんだ。」


    エフラムの口元からゆっくりと視線を上にずらすと、熱を持って、碧い目が自分を貫いていた。

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    召喚された未来のエフラムになにを話しかけていいものか悩んで、貫かれるような視線と目が合うとすっかり竦んでしまって、結局自分から近づき難くなってしまった。





    (エフラム?)

    前を歩いているのはとうに気付いていたが、この先の部屋に用があるのも事実で、わざわざ引き返すのも気が引けて、あの目が向けられていなければいいかとなんとなく後ろをついていくような形になっていた。しかし突然、前を歩いていたエフラムがくるりと引き返し、リオンの目の前に無言で立ち塞がった。いくらか成長した姿は自分が知る姿より大きく感じ、その圧迫感に戸惑い、いつものごとくなにも言えないでいるとエフラムの肩越しから小気味よい足音が聞こえてきた。「鍛錬の時間だぞリオン!」と目の前の人物と同じ声が軽快な調子で聞こえて、ドキリと心臓が鳴った。「エフラム、そんなに急がなくたって大丈夫だよ!」そして相槌を打つ、自分のものであって自分のものではない声。比翼英雄と称される、エフラムとリオンの二人がパタパタと駆けていき、T字の廊下の端から姿を見せる。リオンのほうはこちらに気付いたようであった。比翼の片割れであるエフラムはもう端へとさしかかっていた。
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