Chocolate Cream「メタナイト、次はどうするの?」
「ああ、次はそれとそれを泡立て器で混ぜてくれ」
「わかったー!」
カービィは元気よく返事をすると、チョコレートシロップが入った計量カップを手に取った。それを、ホイップされた生クリームのボウルに入れて泡立て器でかき混ぜる。あっというまにチョコレートクリームが出来上がった。
メタナイトはその横でフルーツを切っている。
今日は久しぶりに二人でケーキを作ることにしたのだ。
材料を量ったり、包丁を使うのはメタナイトの担当だ。カービィはそれらを混ぜたり、並べたりする。
何度か一緒にお菓子を作ってみて、それが一番安全(色々な意味で)な方法だと分かり、自然とそうなった。
「すごーい!こんなに簡単に作れるんだね!」
「ああ。それだと湯せんがいらないから簡単だろう?」
「うん!楽ちんだね。あっという間にできちゃった!」
カービィはそう言うと、泡立て器に付いたチョコレートクリームをひとすくいし、ペロリと舐めた。その瞬間、ぱあっと笑顔になる。
「おいしーい!」
「まったく君は……」
さっそく味見をするカービィに、メタナイトは呆れたような声を出しながらも笑う。
「すごくおいしいよ!メタナイトも食べる?」
「私はいい……今は手がふさがっているからな」
そう言ってメタナイトはフルーツでベタベタになった自分の両手を目で指した。
「じゃあ、食べさせてあげる!」
「?!」
そう言うとカービィはメタナイトの仮面を少しずらし、唇にクリームをひと塗りしたので、メタナイトは思わず肩をすくめた。
「どう?おいしいでしょ?」
「あ、ああ……」
唇に触れたカービィの柔らかい手の感触に妙にドキドキしてしまって、あまり味が分からなかったが、メタナイトはそう答えた。
「……あ!メタナイト!落ちたよ!」
「!!!」
気がつくと、せっかく切ったフルーツが何個か床に落ちていた。
「もーっ!もったいないよ!!」
ぷくっと頬を膨らませてカービィが言う。
「す、すまない……」
メタナイトはそう言いながら慌てて拾った。
end.