これからは一緒に息をしようそこまで厚くないカーテンに光が当たる。薄手のタオルケットで寝ていたにも関わらず、薄っすら汗ばむのは隣に温もりがあるからだろう。
ファルガーは目を細く開きながら、とっくに鳴り止んだ時計に目をやる。午前八時を少し過ぎた程度で、寝過ごしたという程でもない時間であった。最も、特段予定があるわけでも無いが。
何となく二度寝の気分ではなく、ファルガーは手の届く距離にあるカーテンを少しずらして光を浴びた。
隣で眠っていた浮奇は眩しいのか、声にならない唸り声をシーツに落とし、目を薄く開く。
「…おはよ、ふうふうちゃん」
寝起き特有のがらついた低い声で、浮奇はファルガーに声をかける。
「おはよう浮奇。起こしたか」
ファルガーは触り心地の良い浮奇の髪を撫でながら応える。
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