白い虎「ジュンくん、一人でニヤニヤして。そんなだらしない顔、誰かに見られたら笑われちゃうね!」
「ええ、そんなに変な顔してました?すんません」
日和がジュンの手元の携帯電話を覗くと、可愛らしくころころと寝転がるライオンの赤ちゃんの動画が再生されていた。海外の人気動画をまとめたものが自動で再生されている。
「いや、この間仕事で動物園行ったりしたじゃないですか。すげえ可愛かったな〜って思って、終わってから動画調べたりしてたんですよ。そしたら最近のSNSってその……凄いじゃないですか。なんだっけ、あの、おすすめ機能的なやつが」
ジュンは何か言葉が出ないというように、指を空中に漂わせて悩んでいるようだった。
「アルゴリズム、のことを言いたいんですか」
5005