Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    もなか

    @monacan525

    fgoのお話を書きます。
    最推しはマリーちゃんとボイジャーくん。
    ネモ、アーラシュさん、新茶、サンソン、アスクレピオス、BB、金時さんなどなど多キャラ推し。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 7

    もなか

    ☆quiet follow

    書かせていただいたシャルルマーニュです!
    かっこよくしたかった……!
    彼はいつも人の輪の中心にいるので、もしかしたらいろんなものに愛される性質を持っているのかなと思いました。
    ありがとうございました!

    #fgo
    #シャルルマーニュ
    charlemagne

    王たる所以(シャルルマーニュ) 最後の敵を切り伏せ、上がった息を整える。や、やっと終わった……。強くはないけど数がやたら多かったな。こんなに長く戦ったのは久しぶりで、肺だけじゃなく気管支まで痛みが出ていた。くっそー、こんなので息が上がるなんて鈍ったかな? 鍛錬は続けてたけど、メニューの見直しが必要かもしれない。ジュワユーズを地面に刺し、大きく息をした。
     酸素が巡るようになった頭でどうしたものかと考える。レイシフト後のトラブルは慣れっこだとしても、マスターとはぐれるのは運が悪い。魔力消費を抑えてもそれほど長くは現界していられないだろう。パスは繋がってるからそれほど遠くはなさそうだけど、ここじゃあなあ。伸びをしながらどこまでも続く平原を眺めた。
     ざあっと一陣の風が吹く。火照った体の熱が少し逃げた気がした。うん、街でもあればやりようはあるんだけどな! ここまで取り付く島もなければいっそ清々しい。しょうがない、向かう先に何かあると信じて歩いてみるか。ジュワユーズを鞘に収め、なんとなく風上へと向かう。
     道らしい道は見当たらないと言うことは、まだ移動手段が確立されていない時代の可能性があるな。これだけでかい平原があっても街を作っていないし、結構古い時代なのかもしれない。いや、単に敵に襲われたときに防衛が難しいからか避けたのか? 開拓しやすそうではあるんだけどな。索敵しながら何か手がかりになるものはないかと探していると、進行方向に森が出てきた。
     入るべきか、否か。全く手がかりがない以上進むしかないんだが、平原と違って森は連絡を取り合っていても合流が難しくなるだろう。何か俺の痕跡を残せればと考えて、まあさっきの敵が倒れているし気付くか、と思考を片付けた。
     森に足を踏み入れて程なくすると、廃れてしまった教会に辿り着いた。ここに来て初めての人工物だ。壁は蔦が這い、窓ガラスも所々割れている。それでも一目見て教会だと分かる程度には見慣れたスタイルを踏襲していた。
     古い時代を想定していたけど、もしかするとそうでもないのかもしれない。教会ってことは現代でいう欧州だろう。中に入ってみれば正面には天井まで届くステンドグラスが誂えられていた。相当立派なそれは見る者を圧倒する。俺がそうだ。
    「ここまでデカいのはそう見ないな……」
     思わず零れ出た言葉は静寂の中に溶けて消えた。かつては名の知れた教会だっただろうに、今は猫の子一匹すらいないのだから寂しいものだ。均等に並べられた長椅子も、階段の先にある講壇も、全て埃を被ってひび割れている。放置されたままの主はそれでも静かに来訪者を待っていた。
     迷える貴方の子供たちが再会できるよう、お導きください。手を胸に当てて祈りを捧げる。帯剣したままで無作法ではありますがそこは寛大なお心でお許しください。生前の俺ならもっとちゃんとしただろうけど、シャルルマーニュとしての俺だから、という言い訳も添えて。
     満足して顔を上げると、ドアの開く音がした。俺以外に誰かいたのか。敵の可能性も考慮していつでもジュワユーズを抜けるよう半身で振り返ると、そこには誰もいなかった。きっちり閉めたはずなんだけどな。気配を探っても見当たらない。アサシンか? それなら音を出すなんて下手を打つことはないだろう。誘われてるならまだしも、待っていればいずれ俺はここを出たはずだ。音の主の意図が読めず固まっていると、緩い風が頬を撫でた。
     目を丸くして振り返る。止んでしまった風の感触は確かに感じた。でも視界には巨大なステンドグラスが広がるばかりで、空気の通り道は風下の割れた窓以外に見当たらない。キャスターか……? でもなんか、サーヴァントじゃないような気も……。いつの間にか気が緩み首を傾げていると、少ししか開いていなかった扉が全開になっていることに気が付いた。
     ……いやもう隠す気ないだろ。頭痛を感じて頭を抱える。確かに合流させてほしいとは願ったけども! こうもあからさまだとそりゃ怖がられるって! じとりと寛大すぎる心の持ち主を見ても彼は一切動いていなくて、そこは徹底するのかとため息をついた。
     主よ、貴方の導きに感謝します。でももうちょっとうまくやる方が信者も増えると思います。さっきよりさらに簡単に祈りを捧げ、教会を後にする。
     外に出るとさっきより魔力のパスが太くなっていることに気付いた。風の方向からすると平原に向かえってことかな。森の奥に向かうとどうなるか少しだけ興味がわいたけど、嫌な予感がして止めた。大丈夫ですよ。貴方の子供はちゃんと従います。胸中で呟いただけなのに、木々が満足そうに葉を鳴らした。
     森を抜けるとマスターの姿を見つける。声をかけ大きく手を振れば、同じように返してくれた。いろんなモノに好かれる自身はあったけど、まさかここまでとはなあ。頭の奥でもう一人の俺がついた深い溜め息が聞これる。まさか俺と会いたかったから介入した訳じゃないよな、なんてあって欲しくない可能性が頭を過ぎった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    もなか

    DONE書かせていただいたアルテミスです!
    一人(?)だとこの長さがいっぱいいっぱいでした……!
    月って地球の唯一の衛星なんですよね。それってちょっと、エモいなと思って空を見上げています。
    ありがとうございました!
    貴方の唯一になりたくて(アルテミス(とオリオン)) 目を開けて、閉じる。瞼の裏に広がる宇宙は、今過ごしているこの場所よりよく見知った場所だった。私を象徴する月が静かにこちらを見ている気がして首を傾げる。だってこれは、私が私を見ているようなものだ。サーヴァントだからあり得るのかしら。それにしたって神たる私を複数用意するなんて、不敬だと思うのだけれど。
     辺りに視線を走らせれば他の星々も確認できたわ。太陽も、金星に木星も、目を凝らせば海王星だって見えた。だけど私のように人間を模した体は見当たらない。まあ、もともとこの体だって必要に駆られたから作り出したものだものね。誰もいなければ不必要だわ。──不必要、なのに。
     胸の奥にもやもやしたものが広がっていく。ここには何か入れていたかしら。姿を人間に似せただけで中身はよく理解していなかったから、何か不具合でも起こっているのかしら。もしそうなら面倒なものを作ってしまったものね。いっそ壊して、もっと機能性を追求した方がいいのかも。エラーやバグの類であると片付けてしまえば、頭は納得しても、もやもやはその強度を高めたようだった。
    1916

    もなか

    DONE書かせていただいたセタンタとエミヤ(アーチャー)です!
    クー・フーリン族じゃなければ折れてくれるだろうけど、きっと折れずに突っぱねるんだろうなあって思って書きました。
    ありがとうございました!
    まるで槍のような(セタンタとエミヤ) 戦闘訓練帰りに寄った食堂で赤が目に留まる。正式に残ると決まったその日に顔を合わせ、それからしばらく複雑そうな視線を向けられていたことには気付いていた。あえて刺激しなかったのは新参者が騒ぎを起こすべきではないと思ったから。ちらっとマスターに心当たりを聞けば向こうと似たような状況であることはすぐに理解できたし。
     ただアイツが食堂に四六時中いるものだから、避ける避けない以前の問題なんだ。いくらサーヴァントに飲食が必要ないと言っても、ここにそれを許すような奴らはなかった。誰かが必ず俺を連れてここに来る。そうすれば、必然的にエミヤと関わることだってあった。
    「注文が決まったら声をかけてくれ」
    「……おう」
     メニューを見て考えている俺に赤い弓兵は一言言い置いて厨房の奥へ戻っていく。連れ立って来た他の奴らは早々に注文を済ませて席を探しに行ったようだ。これだけ広ければすぐに見つかるだろうに。そう考えて、気を遣われているのだと思い当たった。だいたい強引で変なところで気を遣うのは、ここのマスターの気質に似ているのかもな。
    3677

    related works

    recommended works