Room1006「柳クン、お先に部屋へ戻っていますよ。明日に備えて早めに休みます」
「そうか、わかった。俺も追って戻ることにしよう。シャワーは先に使ってくれ」
本戦前夜。この柳蓮二も含めた数名で大石の部屋へ寄り集まり、一通り情報を交わした後、木手はそう告げていち早く部屋を出て行った。それを機に他のメンバーもぽつぽつと席を立ち、俺はその後も小一時間ほど精市らと話し込んでから(今思うと大石に悪いが――嫌な顔ひとつせず皆に部屋を提供してくれるのだから有難い事だ――)自室へと戻った。
「……む、仁王はまだ帰っていないのか」
「そのようですねぇ」
「柳生辺りと話し込んでいるのかもしれないな」
「日本からの応援団も同じホテルに泊まれるようですね」
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