庚申(『かのえさる』、または『こうしん』)。
庚申の日は六十日ごと。また年では六十年ごとに巡る。
庚申の夜は、人の身体に巣食う三尸の虫が、眠る人の身体を抜け出して天帝(閻魔?)にその人間の寿命を縮めるよう告げ口をする。そのため庚申の夜は、人々は眠らぬように努める。(「庚申待ち」「申(さる)待ち」)
三尸を抑えつける存在が青面金剛という夜叉神。インドにおけるシヴァ神という説あり。ドクロの首飾りを好むらしいよ。とってもカラ松。
なお、前回のカノエサル年は、1980年。
わたしの唐はじはだいたい1970後半~1990前半あたりの文化水準で書いてるつもりですが……はて。
まだ地獄の大幹部してた頃の青さまが、三屍蟲に苦しめられる民の嘆きと助けを乞う姿を見て、気まぐれに助けてあげた。三屍蟲からすれば、60日に一度きままに食事できてたのが60年に一度一人だけ、と制限されてしまった。
とんでもダイエット計画。たまったもんじゃない。かといって青様には逆らえない。
三屍蟲と青様の格の違いは、軍でいうと曹長と中将程度。
【蛍小路臣斗】
蛍小路家の次男で、高校2年(最後は3年)。
高校は遠いので寮に入っている。作中は夏休みなので実家に戻っていた。
いい家柄の生まれながら、長男がすべて背負ってくれてるのでちょっとはっちゃけてる。でも家族仲が悪いわけではなく、特に祖父を大事にする。また家の力や資産をあてにせず、自身の力で切り開こうとするいい男。
美代子に惚れている。危険を顧みず美代子を守るため村に残ろうとした臣斗に気概を感じた安健は、美代子を養子に迎えたうえで将来は美代子を臣斗の嫁に、と蛍小路家に申し出ている。(なおその際、動揺した臣斗は「はあ!?なんで俺がこんなアホっぽいのと!?」とか言って話をややこしくした)
唐次とは年齢を超えて意気投合し、年賀状などのやり取りをする仲。
【美代子】
兜河原家の使用人から兜河原家の養子となり最後は花嫁修行中。性格はおっとり天然。ちょっといろいろ足りないところもある。ただし料理の腕は超一流。安健は料理をもっと専門的に学ばせてやりたいと考えている。
恵まれない身の上だったが、騒動後に安健が養子に迎える。そのまま安健が蛍小路家に嫁入りの打診をし、臣斗の婚約者になる。臣斗に恋愛感情を抱いてるのかは不明。周囲は頑張れ臣斗状態。なお美代子は嬉しそうにしている。
兜河原家の相続権は与えられていないが、兜河原の人間として後ろ盾は安健がしっかり確約。幸せに暮らしている。