運命の女の流れ星「おはよう、ドラルク」
目が覚めたときに誰かが自分の顔を覗き込んでいる。それは幼いころには慣れ親しんだ光景だった。ノースが家庭教師になってから、確か15歳を超えたころからそれは殆どなくなってしまったものだった。年頃の娘が例え親族であってもみだりに寝起きの顔を見せるなとかなんとか。淑女なら恥じらいを覚えろと言われて腹が立ったのでおじさまの棺桶を陣取ってやったら物凄く怒られたのを覚えている。確かに見知らぬ相手にやってはプロポーズをすっ飛ばした大変なことになってしまうけれど、おじさまなら問題ないのに。
だって、お父様だけでなく、ゴルゴナ叔母様にお祖父様だって目覚めた私が一番に見るものでありたいと言っていたのだから。
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