Love in Fall 天気予報が外れたとき、人間はまだまだ自然に翻弄されているなと思う。
そもそも予報とは、過去の事象から導き出される推測でしかない。積み上げてきたデータがいくつあろうが、例外の想定も必要なのは承知の上だけど。
なんていう無駄な思考を巡らせている僕は、ルカの腕の中にいる。正確には、同じベッドで寝ていて、肩まで薄手のブランケットを被っている。
昨日よりだいぶ気温の低い朝。ルカはまだ夢の中なので、早起きの彼より更に早く目覚めたことに気づく。寒さを感じて起きたのは、前の季節以来だ。
他方、身体はとても暖かい。これは隣で眠る人の体温がもたらす副産物。すやすやと眠る恋人に、さらにぴたりと寄り添う。
普段は恥ずかしいからあまりくっつかないけれど、本当はこうしている時間がたまらなく好きなので、時が止まればいいのに、なんて本気で思う。
1930