これが地球で最後の日でも これが地球で最後の日でも
ぼくはきっと明日も生きているのかもしれません。
消えてしまいたいという衝動とどうしようもない情動で息を殺しじっと耐えている。
忘れてしまいたい記憶も、このままじっとしていれば消え去ってくれるのだと、淡い期待を抱きながら。
慢性的なリストカットに救いなどないことくらいもうぼくはわかっていた。
切るから楽になる、はいつしか切っても楽にならないが、切らないともっと苦しいに変わっていくのだ。
マイナスにマイナスをかけたらプラスになると聞いたことがあったのに、現実はどうだろう。
マイナスにマイナスを重ねてさらに落ちていくだけだ。
「……っ……うっ……」
ベッドの上で正座して、ぽろぽろと大粒の涙を流しながらただひたすら切ることに没頭する。電気は付けていない。窓から人工的なオレンジ色のライトの光が少し入ってくる程度だ。
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