いただきます、恋心。ー召しませ恋心・番外ー 舐めたら甘そうな、柔らかいチョコレート色の瞳が今は凄絶な色気を放ってエマを見下ろしている。
それはまるで洋酒入りのショコラのようで、目を合わせているだけで、くらくらと酔ってしまいそうな気分を覚えた。
しかし、そんなどこか酩酊するような気分の中で、脳の奥が絶えず警戒アラートを鳴らしている。
「お前ってたまに、すげえ物分かり悪いのな」
熱っぽい眼差しの奥、苛立ちを滲ませた鋭さが光って、棘を含んだ声がエマに向かって突き刺さる。
たらりと米神を伝った冷や汗に、エマは自分の逃げ場が無いことを悟った。
「エマさん!」
きゅるりと澄んだ鳶色の瞳。
人懐っこく破願した青年に、エマも釣られるように微笑んだ。
「クウガくん、久しぶり。最近はどう?」
4359