アイ・アム・モンスター.
ズズ…と音を立てて一軒家の2階から階段を降りて廊下を歩く。ソレが歩けば階段や床にヘドロの痕がついた。
キッチンにたどり着き、カップラーメンを戸棚から取り出す。ポットでお湯を沸かす。
キッチンから前を見渡せば、ソファにだらしのない男が寝そべっていた。床やテーブルに酒の缶や食べた後のコンビニ弁当が広がっていた。
その男は虚な目で私に視線を寄越した。
「はっ、今日も本当にぶっさいくでバケモンみたいなツラしてんな」
その先のリビングの窓ガラスに私の姿が映った。夜だから鮮明に映る
全身にヘドロを纏ったナメクジのような、カタツムリのようなバケモノがそこにいた。
私は人間から産まれたバケモノだった。
通学路をズズ…ズズ…と俯いて登校する。
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