憧れと、切情と、消えない愛と「ふーふーちゃぁーん」
「なんだ」
浮奇はこたつに半身を埋めたままこちらを向き、よじよじとカーペットを這ってこちらに来たかと思うと、俺の腰にひしと抱き着いてきた。
今日は日曜日だ。
俺たちは、中学で初めて出会った頃からずっと、休日を共に過ごしている。
浮奇には父親がおらず、俺には母親がいない。
自然と暇なときに集まるようになり、高2の今で早5年だ。
そうなってくると流石にすることもなくなってきて、今ではただ集まってだらだらする時間がほとんどだ。
俺は今本を読んでいる。
傍らに積み上げられたそれは、全て昨日近所の市民図書館から借りてきたもので、できれば今日中に消化したいものだった。
浮奇はこたつに入って、俺の記憶ではソファにもたれ掛かってテレビを見ていたはずなのだが、おそらくどんどんずり下がって最終的に床に寝転がってしまったのだろう。
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